📘 作品概要
- タイトル:私が先に好きだったのに整体。
- 著者:ひとのふんどし
- 発行日:2024年10月25日(電子書籍版)
- ジャンル:青春・ラブストーリー・少し背徳的なドキドキ系
この作品は、“整体師”という日常に潜むちょっと大人な職業を通じて、「好き」「先に好きだった」という想いのすれ違いや焦り、そして駆け引きが描かれる、甘く切ないシチュエーション同人誌です。
1. プロット&シチュエーション
物語の舞台は、街隅にある小さな整体院。主人公(整体師)は、仕事として接しているクライアントとの距離感の中で、プロフェッショナルとしての緊張感と、彼・彼女(読者の推測による)が抱く個人的な想いとの狭間に葛藤します。一方、クライアント側にも“誰かに触れられること”の意識や、整体師への信頼からくる特別な感情が描かれ、両者の“心と体の触れ合い”が次第に恋愛感情へと動いていきます。
整体の施術という、触れる仕事を通じて密な関係になっていくことで、読者には独特の“許されなさ”や“背徳感”がゆっくり染み込んでいく構成が秀逸。施術中にしか見えない表情、身体の反応、呼吸の乱れ……。これらがすべて、“感情の高まり”を巧みに演出します。
2. キャラクターの心理描写
ひとのふんどし先生といえば、心理描写の緻密さが強み。本作でも「好き」と言えない、言い出せない歯がゆさが、登場人物の胸中にたゆたっています。
- 整体師側:「仕事で触っているだけなのに、なぜか胸がざわつく。相手を癒やすどころか、自分が癒やされたいのかもしれない…」
- クライアント側:「整体されるたびにドキドキする。気づいたら“整体してくれる人=特別な存在”になっていた…」
こうした細かい心理の揺れが、施術中のほんの些細な瞬間にこそ滲み出ており、読者はまるでその場にいるかのような感覚で物語に没入できます。
3. ドキドキを高める施術シーンの描写
仕草と間合いがすべてを語る本作の一大見どころは、やはり施術シーン。以下のような描写で臨場感と背徳感が巧みにあおられます:
- 肩を揉む手が、“プロの動き”から“意識し始めた”手つきへ微妙に変化
- 相手の呼吸が深く、乱れ始めるタイミングを捉えたアップ描写
- 「いてっ」「気持ちいい…」の間に、“その声の裏にあるらしき”甘さや戸惑いを差し入れる演出
- 腕や背中の肌がふれ合うわずかな瞬間に、電気が走るかのような“体温感”を目に見えるかのように描写
これらの描写は、ただの施術を“感情を揺さぶる接触”へと昇華させています。
4. 背徳感と恋模様のさじ加減
整体という“癒しの行為”は職務として許されたものですが、そこで芽生え始める恋──。本作は、この“合法的な身体接触”の境界線をゆっくり越えていく過程を丹念に描きます。
- 「時間内だけ」の約束が、ふたりの距離をゆっくりと縮め始め
- 施術が終わってもなお残る肌のぬくもりと漂う甘い余韻
- 「これはただのプロの仕事ではないかもしれない」と自問する瞬間の緊張感
こうした描写が、読者の胸の内でも「大丈夫なのか?否、それでもいい」といった揺らぎを引き起こし、物語そのものを背徳的で引き込まれる体験へと変容させます。
5. 作画面の見どころ
ひとのふんどし先生の作画スタイルは、繊細かつ感触を伝える精緻な筆致が光ります:
- 手の線一本にも“重み”と“温度”が感じられるような筆づかい
- 肘や指先、脇など普段注目されにくい部位の描写に至るまで、質感へのこだわりが溢れる
- 呼吸や息づかいがわかる頬のラインアップや髪の乱れ具合で、読者にも“その場に息づく臨場感”を与える
施術後の微笑みや、施術に夢中な横顔──そんな一瞬が、カラーでなくとも白黒線画で鮮やかに浮かび上がります。
6. 読後の余韻とメッセージ性
本作を読み終えた後、読者に残るのは“ほのかな切なさと甘さ”。“好きだったのに”という積年の気持ちが、ようやく愛情へと開花しそうで、でもまだ言葉にはできない──そんな、胸の奥でくすぶる感情の余韻です。
恋愛とは、“自然に距離が詰まるもの”だけではなく、“遠回りして、しかし確かな感情の通過点を経て深まるもの”。本作はその“回り道の美しさと苦さ”を包み込んでいます。
✅ まとめとおすすめポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | プロフェッショナルとクライアントの“背徳的”な恋 |
| 魅力 | 整体という日常的な接触で生まれる、許されつつ許されない関係 |
| 読後感 | 切なく甘い余韻。言葉にしづらい想いの行方が気になる |
| 特におすすめの人 | 丁寧な描写が好きな方、施術系シチュへのドキドキを楽しみたい方、心理の揺れ動きをじっくり味わいたい方 |
整体というリアルな職業とそこに流れる“恋のすれ違い”を描いた『私が先に好きだったのに整体。』。単なる恋愛描写にとどまらず、“言葉にできない想い”を、身体の接触を通じて徐々に登場人物たちの心へと伝えるこの作品。切なさ、甘さ、そして背徳の狭間で揺れる気持ちを、ぜひその目で味わってみてください。
最後に:あなたの感想、考察、あるいは「整体師×クライアント」の関係性で印象深かった場面など、ぜひコメントで教えてください!



コメント